「北海道は梅雨もなくて、夏は気温も低くて過ごしやすい。」
本州にお住まいの方は、北海道の夏について、このような感想をお持ちではないでしょうか。
この感想は、本州から移り住んで1~2年であれば、当てはまります(本州から北海道に移り住んで20年のわたしの感想です)。 北海道で30度を超える猛暑日は、10日から2週間程度。梅雨から真夏にかけての本州の暑さで過ごすことに比べれば、温度、湿度ともに不快指数は遥かに少なく、過ごしやすい日が多いと言えるでしょう。
ですが、長年住んでいると、体感温度というのは変わってきます。夏は30度を超えることは数えるほどですが、氷点下を記録する真冬日の寒さは、本州の冬の寒さと比較になりません。北海道に長く住んでいると寒さに対する適応能力が上がるため、気温が25度を超えると、「暑い!」と感じてしまいます。
これまでは扇風機で何とかしのいできましたが、ここ2~3年は5月下旬に30度を記録したりする日が出てきたりと、異常気象の影響が顕著で、さすがに我慢の限界を感じていました。
道内にある嫁の実家でも昨年ついにエアコンを導入し、その快適さを改めて体験してしまうと、もう我慢できません。ちょうど特別給付金の10万円支給が重なったこともあり、我が家でもついにエアコンを導入することにしました。
設置箇所は一軒家の12畳のリビング。予算は込み込みで20万円
我が家は築20年の一軒家で、設置予定のリビングの広さは12畳程度。室外機は裏庭に置きますが、設置予定の場所がストーブの真上にあたるため、ストーブの煙突に衝突しないかが不安です。
予算は本体・工事費・消費税込み込みで20万円としました。特定給付金の10万にプラス10万円でエアコンが手に入るのなら、安い買い物です。
エアコン購入前の疑問点を洗い出して、情報収集開始
エアコンを導入することに決めたはいいんですが、真冬の雪を考慮しなければいけない北海道では、導入の際の注意点が通常と異なるのではないか?
このように考えて、購入前に自分なりの疑問点を以下のようにまとめてみました。
購入前の疑問点
- 北海道で設置するエアコンには「寒冷地エアコン」が必要なのか?
- 室外機が雪に埋もれることを防ぐため、室外機を設置する高さは地面からどれくらい上げる必要があるのか?
- エアコン設置を想定していない造りの一軒家の場合、工事費用はいくら必要なのか?
以上の疑問点を解消するため、早速情報収集に取り掛かりました。
まずはネットで基本的な情報を収集し、エアコン本体の値段をチェック。
次にエアコンの設置工事の相場がどれくらいのものなのかがさっぱりわからないため、自宅近くの家電量販店で工事費を調べます。
ついでに家電量販店の店員に色々と聞いてみたところ、以下のようなことがわかりました。
1.「寒冷地エアコン」は、真冬でもエアコンを動かす場合に必要
当初、寒冷地エアコンとは、「寒冷地で使っても壊れない仕様のエアコン」だと思っていたため、北海道では寒冷地エアコンしか売っていないと思っていました。ところが、家電量販店の売り場を見てみると、通常のエアコンも売られています。
店員に寒冷地エアコンと通常のエアコンの違いを聞いてみたところ、寒冷地エアコンとは「真冬に使っても壊れない仕様になっているエアコン」のことで、使わないのであれば標準タイプでOKとのことでした。
我が家でのエアコンの使用は、夏場のクーラーと、春秋頃のストーブを点けるまでもないけど肌寒い時期のヒーターを使うことを想定しています。真冬は灯油ストーブを使うため、寒冷地エアコンは不要と判断しました。
2.室外機は、地面からどれくらいの高さに置くべき?
次に気になったのは、室外機の高さをどれくらい上げるべきなのか?という点。
室外機を置く裏庭には真冬だと1m以上雪が積もるため、室外機はすっぽり埋まってしまいます。ところが、エアコンを設置している近所の室外機を見てみると、地面スレスレにおいている家庭もあれば、ラックのようなもので室外機を高い位置で設置している家庭もあり、バラバラ。
この違いは何なのか?
この点も店員に確認したところ、真冬にエアコンを動かさないのであれば室外機をブルーシートなどで覆っておけば、雪に埋まっても大丈夫とのこと。高い位置に室外機を設置しているところは、真冬での使用も想定しているためとのことでした。
一軒家にエアコンを導入している知り合い2~3人にも聞いてみましたが、真冬にエアコンを使わない家庭では、購入時についてきた室外機を覆う専用シートをかぶせておけば、あまりにも雪がかぶりすぎなければ、雪の重みで室外機が壊れることはないそうです。
そこで専用ラックで高くするのはやめ、ホームセンターに売っているコンクリートブロックを数個購入して、地面から少しだけ、かさ上げしてやることにしました。
3.設置工事費用は?
続いて、エアコンの工事費と内訳について。
調べた限りでは、標準工事費は概ね2万円前後。 実際に掛かる工事費は、事前に自宅に工事業者に来てもらって現地見積をして貰う必要があります。
エアコン標準工事費(約2万円)の内訳
- 室内機と室外機の設置。
- 壁への穴あけ(木製・モルタルの壁なら無料。コンクリート壁は別途)
- 室内機から室外機への配管(ホース長4mまで無料。ホースはむき出し。モールで覆う場合は別途。)
- 室外機を設置する土台(プラスチック製は無料。ラックなどで高い位置に設置する場合は別途)
壁への穴あけは、木製の薄い壁なので標準工事費に含まれます。室外機を設置する土台は、ラックで上げることはやめ、ホームセンターに売っているコンクリートブロックを置いて、ここに標準のプラロックで土台にすることにします。
現段階でわかっている追加工事は、壁にエアコン用の専用コンセントを追加する工事。あとは、室外機へ延びるホースがむき出しだと紫外線や雪でホースが簡単に傷んでしまうと考え、モールで覆うための追加費用を払うことも決めました。
これら以外に必要な実際の工事費用は、専門工事業者が自宅に来てはじき出す見積もりが必要です。店員からは「思ったより色々とかかるため、大目に見て5~6万円ほどを見ていたほうが良い」と教えてもらいました。
4.契約アンペア数は30A以上が目安。200Vに対応しているかのチェックも必要
古い住宅でエアコンを設置するときに注意する点が、「契約アンペア数」と「200Vに対応しているか」。
アンペア数が足りないとエアコン動作時にブレーカーが落ちることは知っていましたが、「自宅の電気システムが200Vに対応しているか」が重要だとこのとき初めて知りました。
最近の新築住宅は オール電化の普及などから、 当初から200V対応の電気システムになっていることが多いようです。この場合は追加の電気工事なしに200V対応の家電(IHクッキングヒーターなど)を導入できますが、我が家のように築年数が古い住宅で200Vに対応していない場合は、適応畳数が100V対応で求める広さの性能のエアコンを選ぶか、200Vの電気工事をするかのどちらかになってしまいます。
エアコンの適応畳数はメーカーによって様々ですが、どのメーカーも100Vで動くのは概ね12畳まで。14畳以上は200Vのものが多いようです。売り場で見た寒冷地エアコンは、12畳以上のものはすべて200Vでした。
この時点で我が家では、「100Vで動き、適用畳数12畳までの、寒冷地非対応の標準エアコン」しか設置できないことが判明しました(泣)。
5.フィルター自動掃除機能は不要と判断
エアコンはフィルター掃除を定期的に行わなければならず、最近は自動掃除機能搭載を売りにしている機種が増えてきているようです。
ですが、この自動掃除機能が結構曲者のようで、店員によると、一般的に考えているような「掃除は機械にすべておまかせ」というメンテナンスフリーという意味ではなく、通常のエアコンのフィルター掃除期間が2~3年毎のところが4~5年毎に延びるくらいのもので、掃除は必須とのこと。
さらにダスキンなどの専門掃除業者からは、この自動掃除機能がついていると通常の掃除よりも2~3倍の作業時間が必要となり費用も割高になることから、メンテナンスフリーだと思いこんでいる客とトラブルになることが多く、掃除業界ではかなり不評のようです。
そこで、購入予定のエアコンには自動掃除機能は不要と判断しました。
次回、エアコンを購入し、工事費の見積もり、設置工事編へ
実地調査を済ませ、購入するべきエアコンはだいぶ絞り込めてきました。色々教えてくれた店員がいる家電量販店で購入する予定だったんですが、予算20万で収まるものの在庫がなく断念。別の店舗で購入することにしました。
次回、エアコンを購入し、設置するまでの過程をご紹介します。
エアコンの購入、設置までどのような流れで進んでいくのか、この原稿を書いている段階ではまだ設置されていませんので、私も楽しみです。
購入から設置については、以下のリンクから御覧ください。