ゴルフの初ラウンドが決まったとき、ゴルフ場に何を着ていけば良いのか迷う方も多いでしょう。ネットで少し調べれば、ポロシャツ、パンツ、ゴルフシューズがあればとりあえず形になることはわかります。しかし、どういった柄が良いかとか、色の組み合わせがどうとか、ゴルフが上手そうに見える格好というところまで考え始めると、迷路にはまります。
普段から何を着るかに気を配るようにしておけば、ゴルフだからと困ることはありません。特に大人になってから始める方が多いゴルフでは、年齢にあったそれなりのファッションが求められます。
偉そうな書き出しで始まりましたが、私の格好も決して褒められたものではありません(笑)。ゴルフファッションはゴルフクラブと同じで、お金をかければそれなりの結果は出ますが、それだけで解決しません。ゴルフ専用ウェアは私にとっては派手なデザインの物が多く、年齢を重ねてくると恥ずかしくて着れないと悩んでしまいます。
そんな悩めるおっさんゴルファーに私からの提案です。
急がば回れ。
ファッションそのものについての考え方から変えた方が、ゴルフファッションに対する答えが見つかる近道かもしれません。大人に求められるゴルフファッションとは何なのか、ファッションに疎い40代のおっさんが考えてみました。
大人に求められるのは、身なりに対する考え方を変えること
社会人になって困ったことの一つが、ファッションです。
学生時代は周りから何と言われようと、ファッションに気を遣う理由がわかりませんでした。みすぼらしい格好で恥をかくのは自分であり、周りに迷惑をかけていないから良いじゃないかと思っていました。ファッションに気を遣っている男性はちゃらい、というイメージも当時はありました。
社会人になっても会社に着ていくスーツなどの仕事着は必要だから揃えるだけで、休日に着る服装は以前と変わらぬまま。服はサイズがきつくなるか、穴が空くか、破れるかしない限り買い換えることはなく、よれよれになった服を着やすいからという理由で何年も着続けていました。
今思えば、よくこれで結婚できたと思います(笑)。
この考えが変わったのは、結婚して子供が生まれてから。子供がらみの交友関係が増え、独身時代には全く接点がなかった人や場所を訪れるようになります。すると、今までの見た目を意識していないファッションでは家族に迷惑がかかることに遅ればせながら気がつきました。
と子供から言われたらと想像してみてください。恐ろしいですよね。
それからは一念発起して、今まで読んだことがないファッション誌を手に取ったり、「セレクトショップ」に入ってみたりと、自分なりに取り組んでみました。当時『人は見た目が9割』という本のタイトルが私の周りで話題になったこともあり、自分にとってファッションへの意識が変わる節目だったのかもしれません。身なりにある程度気をつけるようになってから、自分も大人になったと自覚するようになりました(笑)。
『大人のファッション』はTPOが大事
ファッションにはTPO(時と場所によって変える)が求められます。
Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合。Opportunityと使われることもある)の頭文字をとって、「時と場所、場合に応じた方法・態度・服装等の使い分け」を意味する和製英語。
参照:Wikipedia
ファッションは、長い歴史で人類が編み出したものです。冠婚葬祭にはスーツ、温泉では浴衣、野球ではユニフォーム、など、時と場合によって使い分けるのがファッションであり、周りもそういう認識でいます。
場違いな服装は滑稽なだけでなく、場合によっては人に不快感を与えます。Tシャツにステテコ姿は銭湯に行くには何の違和感もありませんが、高級レストランでは入場を断られるかもしれません。お金と時間をかけて高級感を演出している場所では、その場に訪れる人達にもその演出の一部になることを暗に求められるからです。
キーワードは「フィット感」と「清潔感」
ファッションにお金をかけることにあまり躊躇しない方もいらっしゃいますが、以前の私のようにファッションに疎く、仕事着のスーツなど必要最低限のものにしかお金をかけたくないという方も多いでしょう。
ですが、身なりが整っていると相手に印象を与えるためには、ある程度お金をかける必要があります。私が思う服装にお金をかける最大の理由は、「自分の体にフィットしたシルエット」と「清潔感のある生地」を求めるためです。
シルエットはスーツを着る人ならわかるかもしれませんが、オーダースーツと既製品のスーツの見た目は驚くほど違います。太っていた時に着ていたスーツが痩せてから着ると不格好に見えるように、自分の体型に合っていない服装に人は違和感を感じるのです。
生地は、よれよれのTシャツとしわだらけのTシャツ、新品のTシャツを比較するとはっきり違いがわかりますね。よれが無く、しわのないTシャツに人はすっきりとした印象を受けます。これが「清潔感のある生地」で、生地の経年劣化は人にだらしなさを印象づけ、ひいては不潔感まで感じる場合もあります。
普段の服選びから「自分の目」を鍛えよう
自分の体にフィットしたデザイン、よれもしわもない生地を使った服装を確保できたあとは、フィットした服を着た自分の姿を自分の目で確認しておきましょう。フィットしているかどうかわからなければ、最初は店員の意見を聞いてみます。自分の考えと他人の意見の違いを確認しておきます。
「自分にフィットしている服装とはこういうことか」と知ることが出来れば、あとは気に入ったデザインや色を選びます。上下の色の組み合わせや年齢にあった服装などもありますが、それはまた別の話。
自分の体にフィットした、しわのない、よれていない生地をキーワードに、TPOに合わせた服装に対する目を養っていきます。自分が感じる「休日の疲れたお父さん」、「活発で快活なお父さん」の格好を、周りを観察して感じ取りましょう。
最後に頼れるのは自分の感覚です。「理由はわからないが、この服装はおかしい」と感じることがファッションへの第一歩。ゴルフ場に着ていく服装を選ぶときに新しくゴルフウェアを買ったり、普段着の組み合わせで済ませるときでも、自分の服装への感覚を磨いておくことが大人に求められるファッションだと思います。