『社会人ゴルファーデビューへの道』も今回で最終回。第1回の『大まかな流れ』、第2回の『ラウンド前日準備編』、第3回『ラウンド直前編』に続き、ついに『ラウンド編』です。
ゴルフ初心者の方は、実際のラウンドでどういったことに気をつければ良いのか、わからないことが多いでしょう。自分がどのようにプレーしていけば良いのか、プレーの全体の流れを知ったうえでどう動けば同伴者に迷惑がかからないのか、どういった会話が交わされるのか、プレー終了後にはどうなるのか、などなど気になることは多いと思いますが、これを読めば大抵の内容は解決できます。
ラウンドスタート
当日、一緒にプレーする同伴者に挨拶した上で、個々人の腕前をそれとなくリサーチしておきましょう。理想は周りの人達から事前に把握しておくことですが、当日の会話からでもそれとなくつかめます。その際に自分の腕前を告白した後で質問すると、色々と答えてくれる場合が多いでしょう。
ちゃばが個人的に考えるゴルファーのレベル
ゴルフがどういったものかは知っていてもクラブを握ったことがない方は「初心者」、スコアはさっぱりでも「趣味はゴルフ」と言えるくらいゴルフにはまっている状態の方を「初級者」以上に分類しています。
・全くゴルフをやったことが無い人。テレビで見たことはあるが詳しいルールはほとんど知らない。
・仕事のつきあいでやるため上達する気も無いが、迷惑をかけずに社会人のたしなみ程度にプレー出来れば良い。
○初級者 参考スコア:100~130
・ゴルフを初めて日が浅いが、上達を望む人。
・ゴルフが楽しくて仕方が無いが、なかなか上達せず100が切れない。
○中級者 参考スコア:85~100
・その日の調子によっては90を切ったり100をオーバーしたりするが、おおむねスコア90台をコンスタントに出してラウンドできる人。
○上級者 参考スコア:85以下
・自分のゴルフの形が固まりつつあり、コンスタントに80台でラウンドできる人。
初心者は「クラブを3本」持って、とにかくグリーンを目指せ!
スタートホールでは、スタート前に打つ順番を決めます。スタートホールには金属製のくじ引きセットが置かれている場合が多く、くじ引きの要領で順番を決めます。スタートホールではゴルフの実力に関係なくくじ引きによる順番となりますが、その後は各ホールで最も良い成績を収めた人から先に打っていきます。
ティーイングエリアではボールをティーに乗せて打つことが出来ます。どこでもティーに乗せて打つことが出来ると勘違いしてフェアウェイやラフからティーに乗せて打とうとする初心者の人がまれにいますが、2打目以降は地面からしか打つことが出来ません。
ティーショットでドライバーを選んでも良いですが、自信が無ければアイアンやウェッジでも問題ありません。パター以外で最も成功確率が高いクラブでティーショットに臨みましょう。
ボールの前に立ってアドレスしたら、クラブを振り下ろしてボールを打ちます。自分でもどこに飛ぶかわからない場合は、打つ前に周りを確認した後、「打ちま~す!」と同伴者に聞こえるように大きい声で叫びましょう。このかけ声は、初心者を脱出しても危険回避という点ではおすすめです。
グリーンに向かってボールを打っていくわけですが、最初は中々当たらずに手こずることが多いです。ボールまでの移動で走る必要はありませんが、カートに戻ってクラブを交換する無駄を省くため、100ヤード前後が打てるアイアン1本とサンドウェッジ、パターの3本を持って、とにかくグリーンまでボールを進めます。打つ前のかけ声は忘れずに。自分が何打打っているかわからなくなることが多いので、「スコアカウンター」を着けて自分の打った数をカウントするといいでしょう。
カートで移動中の会話は、普段の観察力がモノを言う
ある程度上達してゴルフクラブで150ヤードほど打てるようになってきたら、次のボール位置までカートで移動できるようになります。カートで他の同伴者の方と無理に会話する必要はありませんが、会話の糸口としてはゴルフの話がいいですね。「あのドライバーショット、すごかったですね」「さっきのロングパット、コツはあるんですか?」などと聞けば、大抵の人は色々と話してくれます。疑問に思ったことは、色々聞いてみると良いでしょう。
もちろん何の話題を振るかは、相手の状況確認をしたうえで行うことが重要です。当日のゴルフの調子が思わしくなく、ドライバーショットを打った後で納得いってないような顔をしている人に「ドライバーすごかった」と言っても、「初心者の君から見ればね」と軽くあしらわれてしまいます。
社会人のゴルフは、観察力とコミュニケーション能力が試されます。
ゴルフの話題が振りづらければ、相手の返答がすぐに済む軽い話題がいいでしょう。重い話だと長くなるし、相手も身構えます。取引先であれば「あれの納期はいついつまででしたよね?」とか、社内の人であれば「いまこの仕事はどうなっているんですか?」といった、すぐに確認できるような内容が無難です。
グリーンにボールが乗ってから
グリーンにボールが載ったら、グリーンの脇にアイアンとサンドウェッジを置いて、パターでパッティングします。カートが止めている方向にクラブを置いておくようにすると、次のホールへ進むときに回収し忘れる確率が減ります。
グリーンではパター以外のクラブの使用が禁止されている場合が多いので、注意しましょう。最初は距離感も方向性もわからないので全く入る気がしないかもしれませんが、色々試してみましょう。コンペでもなければスタート前に「5打以内にカップインしなければそれ以上はカウントしない」といった決まり事を同伴者と決めておくと、進行スピードが早まるのでおすすめです。
カップインしてボールを拾い上げたら、グリーン脇に置いておいたクラブを回収し、カートに乗って次のホールへ移動します。自分のスコアを数えて、スコアカードに書いておきます。スコアカウンターでグリーンにボールが乗るまでの打数をカウントしておき、パターの回数と合わせて計算します。
昼食はハーフプレーで取るなら軽めを、プレー終了後であればお酒もあり
ハーフプレー終了時点で休憩をかねて昼食を取り、その後残り9ホールを回るのが一般的のようです。私が住む北海道ではハーフプレー休憩は混雑時以外はなく、そのまますぐに移動してプレーを続行し昼食はプレー終了後に取ります。
昼食はハーフプレーであれば、サンドイッチや麺類など消化が早くエネルギーに変わりやすいメニューがいいでしょう。ご飯ものは消化に時間がかかるため、スイングや移動時に気持ち悪くなるかもしれません。
お酒も残りのプレーがあるのであれば、控えるのがおすすめ。暑いときはビールを飲みたくなるのはわかりますが、アルコールには利尿作用があるため脱水症状の危険もあります。お酒は飲むほどスイングが乱れる原因になりますから、プレー終了後に楽しみは取っておきましょう。中には、飲めば飲むほど強くなる「酔拳」の持ち主もいらっしゃいますが(笑)。
プレー終了後、風呂に入り、着替えて精算
プレー終了後は時間に余裕があればお風呂に入って、その日のゴルフの疲れを落とします。気の合う人達であれば、その日のプレーの話題で盛り上がる「19番ホール」を楽しめるでしょう。
入浴後は着替えを済ませ、フロントで精算を済ませます。「精算は入浴前に」とゴルフ場から言われた場合は、その方式に従いましょう。
精算する料金は、「プレー代金」「ゴルフ税」「ロッカー代」「レストランでの飲食費」「茶屋での飲食費」「練習場でのボール代」「ショップでの物品購入」の中から該当するものを支払います。ゴルフ場での支払にロッカー番号を見せておけば、最後の支払時にまとめて精算できます。
清算後はキャディバッグを玄関で回収し、車やバス、電車で家路につきます。帰りの車の運転はゴルフの疲れとお風呂の心地よさが相まってかなりの眠気に襲われます。運転する方は、十分注意しましょう。
社会人のゴルフは事前準備が大切。ゆとりを持って楽しみましょう
以上、駆け足で当日のラウンド状況をまとめてみました。私のこれまでの経験から、「これってどうなってるの?」と初心者の時に思った内容を書いてみましたが、全て書き切れたわけではありませんので、その点は予めご了承ください。
社会人のゴルフで重要なのは、スコアではありません。その人の人となりを知ることが出来るのが重要だと私は考えています。
ゴルフがビジネスツールとしてよく利用されるのは、ゴルフをプレーするという上下関係が無い共通の立場で、事前準備やトラブル遭遇時の対応がどれだけ出来る人なのかを知ることが出来るためです。
私の場合、取引先とのゴルフでは特に、トラブル遭遇時や満足できない結果に終わったときの相手の言動をよく観察します。お酒の場合は酔っていたからという言い訳が出来ますが、ゴルフはシラフですからね。その人の性格や対応能力を知るにはゴルフはもってこいです。
当然、自分も相手から見られていることを意識して行動するので、初めてラウンドする相手の時はとても疲れますが(笑)。
トラブル遭遇時に慌てないためにも、しっかりとした事前準備が重要です。あとはゆとりを持って当日のゴルフを楽しみましょう。
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